「お嬢さん、安心なさい。道之助くんはけっして悪党じゃない。なるほど奇怪な指紋の持ち主だが、その指紋をぬすんで悪事を働いていたやつは別にあるのです」
「な、なんですって?」
「三津木くん、きみにまでかくしていたのはすまなかったが、これにはわけがある。あのどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗のひょうばんが高くなりかけたころ、この道之助くんが、わしのところへやってきたのだ。そしてあの怪盗の残していく指紋は、たしかにじぶんの指紋にちがいないが、自分は決してそんな悪事をしたおぼえがないという。
わしも大いにおどろいたが、等々力警部と相談して、道之助くんをしばらくわしの家へとめておいたのだ。ところが、そのあいだにもいぜんとしてどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗はあらわれる。そこでだれかが道之助くんの指紋をとって、それを精巧なゴム判かなにかにして、罪を道之助くんにかぶせようとしているのだということがわかった。
それで道之助くんによく聞くと、大阪で|興行《こうぎょう》しているころ、見知らぬ客に招かれたが、そこで眠り薬をのまされて、眠ってしまったことがあるという。
つまりそのとき指紋をとられたらしいのだが、さて、その客というのが何者だかわからない。
人相を聞いても、相手は変装していたらしいので、そんなものは手がかりにならない。
そこでわれわれもほとほと困ったあげく、戦法をかえて、道之助くんの写真をサ工违荪攻咯‘にいれて枺─袱澶Δ衰啸椁蓼い郡韦馈?br /> するとはたして、警視庁へ密告状がきて、道之助くんこそどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗だ、と教えてきた。
わしの考えでは、その密告状のぬしこそあやしいと、ひそかに眨麞摔颏工工幛毪い盲荬Αⅳ铯钉让芨孀搐摔坤蓼丹欷郡瑜Δ暑啢颏筏啤⒐拣^であんな捕物さわぎをやって見せたのだ。
なあに、あれは警部や道之助くんとあらかじめ打ち合わせておいて、わざと道之助くんをとり逃がすようにしておいたのだよ。道之助くんはしゅびよく逃げだすと、すぐわしのところへきて、それからいままでかくれていたのだが、そうとは知らずに、またのめのめとこんな人殺しをやったのは、これこそどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の撙韦膜怠?br /> ああ、なんという意外な話、なんというふしぎな物語だろう。俊助も美罚ё婴狻ⅳⅳ蓼辘韦长趣摔郡坤埭Δ激螭趣筏皮い搿S⑷悉胜摔筏椤⒂碾懁摔扦馊·辘膜欷郡瑜Δ暑啢颏筏皮い郡ⅳ浃皮筏铯欷啃Δど蛄ⅳ皮毪取?br /> 「なるほど、しかしそれじゃ、本物のどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋はどこにいるのだ?」
「ふむ、そこにいるよ。志岐くん、きみのパジャマのボタンがひとつちぎれているが、それはどうしたんだね?」
「な、なんですって?」
「ハハハハ、さすがの悪党もそれに気がつかなかったのが撙韦膜坤汀2┦郡蠚ⅳ丹欷毪趣⒎溉摔违堀骏螭颏窑沥盲俊7溉摔喜┦郡窑趣い怂坤螭坤长趣人激盲撇课荬樘婴渤訾筏郡⒉┦郡悉饯韦袱膜蓼老ⅳⅳ盲郡韦馈¥饯筏贫夏┠Г慰啶筏撙韦Δ沥恕ⅳ饯违堀骏螭蚋钑r計のなかへねじこんでおいたのだ。ほら見たまえ」
と、由利先生が歌時計のふたをひらけば、コロコロところがりだしたのは血にまみれた一個のボタンだ。と同時にボタンによってさえぎられていたゼンマイが、ふたたび回転をはじめたかと思うと、いったんとぎれた『蛍の光』が、またゆるやかに鳴り出したのであった。
そのとたん、ごうぜんたる物音が室内にとどろいたかと思うと、志岐英三のからだがバッタリと床の上にくずおれたのだった。
英三の室内からは、はたして世にも精巧などくろ[#「どくろ」に傍点]指紋のゴム判が発見された。かれが自殺したいまとなっては、なぜそんなだいそれた悪事をはたらいたのか、知る方法もないが、推理をはたらかせてみると、かれは博士の財産に目をつけていたのだ。
ところが博士はいつか話したように、あくまでも道之助をさがし出して、ゆくゆくは美罚ё婴冉Y婚させて、財産をゆずろうとしていたので、それを知った英三は、道之助をつみにおとしいれようと、あんな悪事をたくらんだのだが、その秘密を博士に知られたので、あんな恐ろしい人殺しをやったのであろう。
道之助と美罚ё婴稀ⅳい蕖⒂衫壬伪Woをうけながら、きょうだいのように、仲よく勉強しているということである。
本書には今日の人権意識に照らして不当.不適切と思われる語句や表現がありますが、作品執筆時の時代背景や作品の文学性などを考懀Г筏饯韦蓼蓼趣筏蓼筏俊?br /> [#地から2字上げ](角川書店編集部)
|仮面城《かめんじょう》
|横《よこ》|溝《みぞ》|正《せい》|史《し》
平成14年6月14日 発行
発行者 角川歴彦
発行所 株式会社 角川書店
〒102…8177 枺┒记Т锴皇恳?…13…3
shoseki@kadokawa。co。jp
(C) Seishi YOKOMIZO 2002
本電子書籍は下記にもとづいて制作しました
角川文庫『仮面城』昭和53年12月30日初版発行
昭和62年 9 月20日15版発行
◆·─·◆·─ ☆ ─ ★ ─ ☆ ─·◆·─·◆
本书由
¤╭⌒╮ ╭⌒╮欢迎光临
╱◥██◣ ╭╭ ⌒
︱田︱田田| ╰……
╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬版 权 归 原 作 者
论坛整理制作
更多txt。 … 手机访问 m。
本作品来自互联网,版权归作者所有!
◆·─·◆·─ ☆ ─ ★ ─ ☆ ─·◆·─·◆
小说推荐
- the underground city-地下城(英文版)
- 手机访问 m╮欢迎光临︱田︱田田╬版 权 归 原 作 者【功夫英雄qq】整理附】内容版权归作者所有!The Underground Cityby Jules VerneORThe Black Indies(Sometimes Called The Child of the Cavern)CHAPTE
- 文学名著
- 最新章:地下城(英文版)-第41章
- 赌注(日文版)
- ﹏ 手机访问 m╮欢迎光临︱田︱田田╬版 权 归 原 作 者【duansh1204】整理本作品来自互联网,本人不做任何负责!内容版权归作者、出版社所有╮賭け(一 四月、高校に入学してそろそろ一ヶ月が経とうとするある日の放課後。貴彦は学校の側にある川沿いの道を歩いていた。桜並木が続く 北国では桜の開花
- 文学名著
- 最新章:第4章
- 短篇集(日文版)
- ╮欢迎光临︱田︱田田╬版 权 归 原 作 者论坛整理制作 手机访问 m.本作品来自互联网,版权归作者所有◆地獄変芥川龍之介 一 堀川の大殿様(おほとのさま)のやうな方は、これまでは固(もと)より、後の世には恐らく二人とはいらつしやいますまい。噂に聞きますと、あの方の御誕生になる前には、大威徳明王(だ
- 文学名著
- 最新章:第10章
- 好き≠恋(日文版)
- 手机访问 m╮欢迎光临︱田︱田田╬版 权 归 原 作 者【duansh1204】整理附】内容版权归作者所有!佐倉健人の場合 1 春風に吹かれながら、歩き慣れた通学路を歩く。桜の花はすでに散ってしまい、木々には緑色の葉が生い茂っている。新学期が始まってもう2週間が経った。新しいクラスになじむと言うより
- 文学名著
- 最新章:第42章
- 日光微暖爱倾城(出书版)
- 日光微暖爱倾城(网络名:谁说我不爱你)作者:清幽淡雅11、No,I’m mango.英伦的天气向来是季湉湉最厌恶的一种,变幻无常诡异莫测,刚出门还是阳光明媚风和日丽,一转身既是闪电雷鸣、大雨倾盆。出门必带雨伞是英国人的日常习惯,可这对于懒人季湉湉来说却是个极大的折磨。以前在国内时,季湉湉就被好姐妹称
- 激情
- 最新章:第49章
- 曾国藩的正面与侧面(公务员版)
- 作者:张宏杰】自序 曾国藩的成功与失败一曾国藩做官非常成功。他从一介书生起家,创建军队,统率群雄,挽狂澜于既倒,扶大厦之将倾。他善于进退,在剿灭太平军之后,功名事业如日中天,这时他却能极度冷静,在大盛之中察觉大衰的先机,毅然上疏辞去节制四省的大权,并采取果断手段,裁撤自己的权力之本—湘军。他一生出将
- 历史军事
- 最新章:第61章
- 曾国藩的正面与侧面(青少年版)
- 作者:张宏杰】自序 向曾国藩学什么一对许多读者来说,曾国藩对他们的榜样作用主要体现在意志力的磨炼上。前几天在一个电视台做节目,聊曾国藩。说起曾国藩如何自我完善,脱胎换骨,一位嘉宾说,现在不要再提倡什么“自我磨砺”了,多累啊。人活着,要顺着自己的本性,怎么快乐怎么来,不要成天那么“拧巴”着。这是现在越
- 历史军事
- 最新章:第49章
- 千面倾城裙下神 作者:百里砂(红袖添香vip2014-09-14正文完结)
- :附【本作品来自互联网,本人不做任何负责】内容版权归作者所有|欢迎大家[千面倾城裙下神 百里砂 著]书籍介绍:第一次来晚了,妖美男度劫完毕半死不活…某公主大为不爽,果断把他卖掉,赚小钱继续贿赂度厄神君…第二次来早了,等半天不见有妖度劫,于是喝了点儿小酒,醒来居然被卖,仔细想想梦里那张俊脸有点眼熟…第
- 武侠修真
- 最新章:09-14正文完结)-第217章
- Java编程思想第4版[中文版](PDF格式)
- -Page 1-Page 2《Thinking In Java》中文版作者:Bruce Eckel主页:http/BruceEckel.编译:Trans Bot主页:http/memberease~transbot致谢-献给那些直到现在仍在孜孜不倦创造下一代计算机语言的人们!指导您利用万维网的语言进
- 其他
- 最新章:第295章