《吾輩は猫である》第119章


螘r代はそうは行かないよ。英雄なんか一人も出やしない。出たって誰も英雄と立てやしない。昔は孔子(こうし)がたった一人だったから、孔子も幅を利(き)かしたのだが、今は孔子が幾人もいる。ことによると天下がことごとく孔子かも知れない。だからおれは孔子だよと威張っても圧(おし)が利かない。利かないから不平だ。不平だから超人などを書物の上だけで振り廻すのさ。吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果不自由を感じて困っている。それだから西洋の文明などはちょっといいようでもつまり駄目なものさ。これに反して枺螭袱阄簸筏樾膜涡扌肖颏筏俊¥饯畏饯筏い韦怠R娊oえ個性発展の結果みんな神経衰弱を起して、始末がつかなくなった時、王者(おうしゃ)の民(たみ)蕩々(とうとう)たりと云う句の価値を始めて発見するから。無為(むい)にして化(か)すと云う語の馬鹿に出来ない事を悟るから。しかし悟ったってその時はもうしようがない。アルコ胫卸兢祟荆à─盲啤ⅳⅳ⒕皮蝻嫟蓼胜堡欷肖瑜盲郡瓤激à毪瑜Δ胜猡韦怠?br />
十一 … 22

「先生方は大分(だいぶ)厭世的な御説のようだが、私は妙ですね。いろいろ伺っても何とも感じません。どう云うものでしょう」と寒月君が云う。
「そりゃ妻君を持ち立てだからさ」と迷亭君がすぐ解釈した。すると主人が突然こんな事を云い出した。
「妻(さい)を持って、女はいいものだなどと思うと飛んだ間摺摔胜搿2慰激韦郡幛坤椤ⅳ欷姘驻の铯蛘iんで聞かせる。よく聴くがいい」と最前(さいぜん)書斎から持って来た古い本を取り上げて「この本は古い本だが、この時代から女のわるい事は歴然と分ってる」と云うと、寒月君が
「少し驚きましたな。元来いつ頃の本ですか」と聞く。「タマス·ナッシと云って十六世紀の著書だ」
「いよいよ驚ろいた。その時分すでに私の妻(さい)の悪口を云ったものがあるんですか」
「いろいろ女の悪口があるが、その内には是非君の妻(さい)も這入る訳だから聞くがいい」
「ええ聞きますよ。ありがたい事になりましたね」
「まず古来の賢哲が女性観を紹介すべしと書いてある。いいかね。聞いてるかね」
「みんな聞いてるよ。独身の僕まで聞いてるよ」
「アリスト去朐唬àい铮─悉嗓Δ宦担à恧─扦胜筏胜欷小⒓蓼颏趣毪胜椤⒋螭始蓼瑜晷·丹始蓼颏趣毪伽贰4螭事丹扦胜筏瑜辍⑿·丹事丹扦胜筏畏饯瑸模à铯钉铯ぃ┥伽胜贰?br />
「寒月君の妻君は大きいかい、小さいかい」
「大きな碌でなしの部ですよ」
「ハハハハ、こりゃ面白い本だ。さああとを読んだ」
「或る人問う、いかなるかこれ最大奇蹟(さいだいきせき)。賢者答えて曰く、貞婦……」
「賢者ってだれですか」
「名前は書いてない」
「どうせ振られた賢者に相摺胜い汀?br />
「次にはダイオジニスが出ている。或る人問う、妻を娶(めと)るいずれの時においてすべきか。ダイオジニス答えて曰く青年は未(いま)だし、老年はすでに遅し。とある」
「先生樽(たる)の中で考えたね」
「ピサゴラス曰(いわ)く天下に三の恐るべきものあり曰く火、曰く水、曰く女」
「希臘(ギリシャ)の哲学者などは存外迂濶(うかつ)な事を云うものだね。僕に云わせると天下に恐るべきものなし。火に入(い)って焼けず、水に入って溺れず……」だけで独仙君ちょっと行き詰る。
「女に逢ってとろけずだろう」と迷亭先生が援兵に出る。主人はさっさとあとを読む。
「ソクラチスは婦女子を御(ぎょ)するは人間の最大難事と云えり。デモスセニス曰く人もしその敵を苦しめんとせば、わが女を敵に与うるより策の得たるはあらず。家庭の風波に日となく夜(よ)となく彼を困憊(こんぱい)起つあたわざるに至らしむるを得ればなりと。セネカは婦女と無学をもって世界における二大厄とし、マ埂ぅ‘レリアスは女子は制御し難き点において船舶に似たりと云い、プロ骏工吓婴_羅(きら)を飾るの性癖をもってその天稟(てんぴん)の醜を蔽(おお)うの陋策(ろうさく)にもとづくものとせり。ヴァレリアスかつて書をその友某におくって告げて曰く天下に何事も女子の忍んでなし得ざるものあらず。願わくは皇天憐(あわれみ)を垂れて、君をして彼等の術中に陥(おちい)らしむるなかれと。彼また曰く女子とは何ぞ。友愛の敵にあらずや。避くべからざる苦しみにあらずや、必然の害にあらずや、自然の誘惑にあらずや、蜜(みつ)に似たる毒にあらずや。もし女子を棄つるが不徳ならば、彼等を棄てざるは一層の呵責(かしゃく)と云わざるべからず。……」
「もう沢山です、先生。そのくらい愚妻のわる口を拝聴すれば申し分はありません」
「まだ四五ペ袱ⅳ毪椤ⅳ膜い扦寺劋い郡椁嗓Δ馈?br />
「もうたいていにするがいい。もう奥方の御帰りの刻限だろう」と迷亭先生がからかい掛けると、茶の間の方で
「清や、清や」と細君が下女を呼ぶ声がする。
「こいつは大変だ。奥方はちゃんといるぜ、君」
「ウフフフフ」と主人は笑いながら「構うものか」と云った。
「奥さん、奥さん。いつの間(ま)に御帰りですか」
茶の間ではしんとして答がない。
「奥さん、今のを聞いたんですか。え?」
答はまだない。
/d/
十一 … 23
生小 说+网
「今のはね、御主人の御考ではないですよ。十六世紀のナッシ君の説ですから御安心なさい」
「存じません」と妻君は遠くで簡単な返事をした。寒月君はくすくすと笑った。
「私も存じませんで失礼しましたアハハハハ」と迷亭君は遠懀Г胜Δ盲皮毪取㈤T口(かどぐち)をあらあらしくあけて、頼むとも、御免とも云わず、大きな足音がしたと思ったら、座敷の唐紙が乱暴にあいて、多々良三平(たたらさんぺい)君の顔がその間からあらわれた。
三平君今日はいつに似ず、真白なシャツに卸立(おろした)てのフロックを着て、すでに幾分か相場(そうば)を狂わせてる上へ、右の手へ重そうに下げた四本の麦酒(ビ耄─蚩Iぐるみ、鰹節(かつぶし)の傍(そば)へ置くと同時に挨拶もせず、どっかと腰を下ろして、かつ膝を崩したのは目覚(めざま)しい武者振(むしゃぶり)である。
「先生胃病は近来いいですか。こうやって、うちにばかりいなさるから、いかんたい」
「まだ悪いとも何ともいやしない」
「いわんばってんが、顔色はよかなかごたる。先生顔色が黄(きい)ですばい。近頃は釣がいいです。品川から舟を一艘雇うて――私はこの前の日曜に行きました」
「何か釣れたかい」
「何も釣れません」
「釣れなくっても面白いのかい」
「浩然(こうぜん)の気を養うたい、あなた。どうですあなたがた。釣に行った事がありますか。面白いですよ釣は。大きな海の上を小舟で仱陱hわしてあるくのですからね」と誰彼の容赦なく話しかける。
「僕は小さな海の上を大船で仱陱hしてあるきたいんだ」と迷亭君が相手になる。
「どうせ釣るなら、鯨(くじら)か人魚でも釣らなくっちゃ、詰らないです」と寒月君が答えた。
「そんなものが釣れますか。文学者は常識がないですね。……」
「僕は文学者じゃありません」
「そうですか、何ですかあなたは。私のようなビジネス·マンになると常識が一番大切ですからね。先生私は近来よっぽど常識に富んで来ました。どうしてもあんな所にいると、傍(はた)が傍だから、おのずから、そうなってしまうです」
「どうなってしまうのだ」
「煙草(たばこ)でもですね、朝日や、敷島(しきしま)をふか?
小说推荐
返回首页返回目录